アットホームな会社は、「あ、痛いホーム」な会社①
色々考えて、捻り出したタイトルがこれなので、ふとんかぶってうめきたくなる日曜。
ブラック、というべきかどうかは個々の判断に任せるが、運営が雑というか、ガバガバな会社のお話をしていく。小規模な有限会社ならではの良さもあるとは思いたいが、ことごとく裏目裏目で詰んだ挙句、閉鎖になった会社もある。これから就職や転職をお考えの方には「アットホームな会社」という文言のある求人にはお気をつけを、と思う。
医療法人の居宅での、管理者のモラハラ・パワハラに疲弊したワイは、小規模の会社を転職先に選んだ。元々は老舗家政婦紹介所で、介護保険スタートと同時に訪問介護、居宅介護支援、介護タクシーを始めた。(支援費制度開始時に、支援費サービスも開始)
面接は社長と奥様。家族経営の小規模会社。メインは訪問介護の件数を増やすことなので、特定事業所集中減算を避けて仕事を受けてくれればいい。予防支援はカネにならないから、受けなくていい。営業もしなくていいとな。
ゆっくり仕事出来ていいなと思ったのが、間違いの始まり。ここの社長、実は大手電機メーカー勤務だったのだが、色々あってリストラ。奥様が実母から受け継いだ家政婦紹介所の名ばかり社長兼介護タクシー運転手で、要は介護保険の法も仕組みも理解してない。奥さまも同様で、なぜこの会社が10年以上続いたかと言うと、優秀な番頭2人と現場リーダー、腕利きの家政婦・ヘルパーがいたからである。
そして、跡継ぎ予定は一人娘。これが実はLGBTで、稼業を継ぎたくなくて、LGBTが集まれるカクテルバーを作りたいがために東京へ進学。バーテンダーコンテストにも入賞し、開店資金を貯めるために地道に働いていたが、「水商売させるために東京へやったんじゃない」と両親に全否定されて連れ戻され、仕方なく介護の仕事を始めた。
もうこの時点ですでに詰んでるんだが。
一人娘に引き継がせるなら、会社を大きくしてから引き渡したいと考えた社長、65歳で社長を退き、娘に売上を上げるための策を考えろと無茶ぶり。
ちなみにこの頃、大口の自費利用者や病院の付き添いの依頼が物凄い勢いで減り始めて、予防支援は切り捨てていた居宅も依頼が横這い。集中減算の基準が1事業所に集中する割合が90%から80%に変更。そのため、居宅を他事業所に変更しないといけないというのを社長夫婦が全く理解出来ず、「クレーマーと自分たちが認定した利用者を、訪問介護事業所だけ変えて、居宅は変えるな」とか訳分からないこと言い出して、事務所内が嫌な空気になった。
あわせて。ヘルパー資格を持っていない家政婦専門の契約社員を無茶苦茶な理由をつけて大リストラ。
家政婦は指名制では無いが、長くお世話になっているからとご依頼くださる自費の利用者ごと切った。
さあ大変。
外部からの評価はガタ落ち。両親から売上売上と攻められた娘は精神的におかしくなり、利用者・社員・外部ケアマネに暴言吐きまくり。ますます依頼は減る。
これには番頭も現場リーダーも嫌気がさして、集団退職。ワイも「予防は断れ、でも売上は上げろ、訪問介護の利用をもっと増やせ」と制度上無理なことを要求されたので、4年目で退職した。
その事業所がどうなったのかを、ごく最近聞く機会があった。ケアマネも残った2人が辞めて、後任は求人出しても全く来ず、2年前に閉鎖。
跡継ぎの娘はケアマネ試験に全く受からず、相変わらず親から連日責められ、他事業所やお客様に八つ当たりしながら仕事しているとか。利用者さんは、退職した番頭や現場リーダーの再就職した事業所にほとんど移ったそうな。
長く勤めなくて良かった。
アットホームな雰囲気、というのは家族同様に扱うから給料安くていいよな。成績悪けりゃおまえらのせいにするからな!なんだと学んだ。
ちなみに給料
総支給額20万。ボーナス1ヶ月 夏冬2回。
資格手当なし。昇給4年のあいだ全くなし。
食費・忘年会費 無料(経費で落とす)
退職金 :中小企業退職金共済から支給
でした。