人生の終わりを決めるのは誰か。
先日、私が籍をおく居宅がある老人保健施設に、父親を入所させたいと娘さんから相談があった。
利用者 96歳男性 要介護3
家族 80代の妻 60代長女
平成30年に前立腺がん・胃がん手術。前立腺がんのホルモン療法継続中。妻に全面的に依存しており、娘の介護は拒否。副腎皮質ホルモンの副作用で糖尿病があるが、食事制限不良。
家族の言うことは聞かず、食事も身の回り動作も構わず、昨年12月から入浴と機能訓練目的でデイサービス利用開始。
2月下旬、妻が腎盂腎炎で入院。娘は勤務と母の支援があるため、ショートステイ利用。妻より、夫の介護はもう出来ないと話があり、入所の申し込みとなった。
家族の介護疲れが酷いのは、インテーク時からわかっていた。利用者は家族に対しては傲慢だが、外へ行くと大人しいので、ショートステイも問題なく利用出来ていた。むしろ課題であった食事制限が上手く行き、きわめて状況がよい。
老健でワンクッション置き、その間にサ高住、特養の調整を行う方向で進めることにした。施設CMも同席してもらった。
資料確認した施設CMの説明は、
「老健は医療費も包括化されてるんです。うちに入るがん治療中の方は、みんな治療中止してもらって、延命治療も一切しないことでお受けしてます。お歳も確認しましたけど、もう90越えてますよね?その歳でがん治療って、意味あります?」
である
こんな失礼な面談するバカだとはわかってたよ!
自分が気に入らない利用者の意見書をドクターに無断で書き換えて、在宅サービスに繋がないで退所させてるからさ!!
ちなみに前立腺がんの治療について調べたんだが、年齢関係なく進行を抑えて、「がんとうまく付き合う」治療なんだな。知らんかった。娘さんに伺ったら、治療中止の目安は①本人が治療をしないと意思表示 ②家族同行しての受診が困難な場合 とドクターから説明があったそうな。
現時点で病状が落ち着いていること、御家族様送迎で通院出来ているが、母と父と2人の介護は難しいので、というご相談のはずが、いきなり延命治療しない話までぶっ飛んだので、御家族様は困惑していた。
仕方なく施設CMには席を外してもらい、がん治療もしながら(家族協力が継続出来る前提で)利用出来る施設を探すことでご了承いただいた。
ちなみに施設CM、もともとは看護師である。
どこぞのシャッチョさんも、終末期は一切の医療も緩和ケアもしないで死ぬのが一番いいと言い切っていたが、七転八倒の苦痛の中死なせて良いのか。
それ以前に、本人の意向を一切無視して、治療は中止しろ、でなきゃサービスは受けさせないというのが正しいのか。
久々に頭痛がした。