オールドルーキー指導血風録⑩

   別に介護の仕事に、崇高な理想を持つ必要なんかないのだ。ましてや、うちはサ高住、GH、小多機、デイサービス、デイケア、カルチャーセンター風味デイ、特養、居宅、包括そして病院まであるデカい法人だ。自分のとこに取り込んだお客さんを「要支援から看取りまで」でサービス提供して数字を出せば良いのだ。

(抱え込みOKは確かに威張れたもんじゃないが、状態に応じた棲み分けがされているから、ある意味安心ちゃ安心)

   デイケアで楽器演奏したあと、「レベルの低いレク提供してますね」と吐き捨て、オリジナルだかなんだか知らん、認知機能が維持された方でも難しい造花造りとかやってみたいとか、いきなりデスクで工作始めるとか。あのな、うちのデイは若干認知機能が低下し始めた人向けなんだよ。アクティブな人はまた別なの。ボスと同行して何見てきたの？その目は節穴か。くり抜いて銀紙でも貼っとけ。

   なんで自分のものさしが絶対なんだよ。人から教えられるのが嫌なら、独立して居宅構えりゃいいじゃないか。私が作った手順書見てないだろ。

だから、「介護保険料払ってるんだから、使わないと損でしょ！」って利用者家族に押し切られるんだよ。

  頭でっかちで変に自信あるくせに、パニくりやすい。かといって、人の助言は聞かない。

   今日、ボスとパイセンから言われましてん。

「関わっちゃダメですよ。ほっといて大丈夫です。」

  ｱｯﾊｲ